※この記事は「EC副業を始めるか迷ったときの判断材料」として書いています。
この記事は「Shopifyの使い方ガイド」ではありません。
40代・エンジニアの僕が、Shopifyで高級ニッチ商材のECを3年間運営して「残した判断」と「捨てた判断」の記録です。
この記事で分かること
– なぜエンジニアがECを始めたのか
– 高級商材×少量生産の強み
– 3年間で捨てた施策
– 3年間で残した施策
– Shopifyを選んだ理由
– 非エンジニア・非デザイナーでも回せる運営方法
– 高級商材ECでやってはいけないこと
前提:僕の状況
– 40代・Flutterエンジニア
– 週5で大手企業案件に参画中
– Webデザイナー/フロントエンド経験10年
– Shopify EC運営:3年目
– 商材:高級ニッチ商材(メーカー直販)
– 最初から日本語・英語のバイリンガルサイト
– 2人で運営(メンバーは非エンジニア)
本業はエンジニア。
ECは副業。
メーカーが開発・製造している商品のWebショップを立ち上げ、運営を担当しています。
なぜエンジニアがECを始めたのか
理由①:収入源を分散したかった
エンジニアの収入は、基本的に「労働時間」に比例する。
働けなくなったら、収入がゼロになるリスクがある。
「寝ている間にも売上が立つ」仕組みが欲しかった。
理由②:エンジニアスキルを別の形で活かしたかった
Webデザイン・フロントエンド開発の10年の経験がある。
この経験を「自分のビジネス」に使えないかと考えた。
他人のサイトを作るのではなく、自分のサイトで稼ぐ。
理由③:物販は「仕組み化」しやすい
物販は、仕入れ→販売→発送のフローが明確。
仕組み化すれば、自分の時間をあまり使わずに回せる。
エンジニアの「自動化」思考と相性が良い。
なぜこの商材だったのか
縁があってメーカー直販を任されることになった、というのが正直な出発点です。
でも、結果的にこれは良い選択だった。
理由①:ハンドメイド×高品質×少量生産
1台ずつ手作りしている。
大量生産の製品とは、品質が全く違う。
少量生産だからこそ、高品質を維持できる。
理由②:高単価で利益が取れる
1台数万円〜十数万円の高級商材。
月に数台売れれば、結構な利益になる。
少ない販売数で、利益を確保できる。
理由③:薄利多売は時間がない
低価格商材は、数を売らないと利益が出ない。
週5で本業をやりながら、その工数は捌けない。
理由④:メーカーに直接聞ける
商品の強み、技術的な特徴を直接聞ける。
これが、コンテンツ作成やカスタマー対応に活きた。
高級商材ECでやってはいけないこと
3年間で学んだ「やってはいけないこと」をまとめます。
❌ 値引きで勝負する
高級商材でセールを連発すると、ブランド価値が下がる。
価格ではなく「価値」で選ばれる必要がある。
❌ 煽りコピーで売る
「今だけ」「残りわずか」は高級商材には逆効果。
誠実さを売りにする方が、長期的に信頼される。
❌ 広告に依存する
高級商材は衝動買いされにくい。
広告費をかけるより、コンテンツとアフターサービスに投資する方が効果的。
❌ 比較記事で他社を否定する
他社製品を否定すると、自分の信頼も下がる。
自社の強みだけを正直に伝える。
3年間で捨てた施策
捨てた施策①:Instagram以外のSNS
最初は全てのSNSをやった。
X、Facebook、Pinterest、Tiktok、Instagram。
結果:全部やると時間がかかりすぎて負担が大きく、どれも中途半端になった。
Instagramにはこの商材に興味があるコミュニティがある。
直接フォローやいいねで繋がれる。
1つに集中した方が、効果が出た。
捨てたこと②:広告
広告は最初から一切やっていない。
高級商材は、衝動買いされにくい。
広告費をかけるより、コンテンツとアフターサービスに投資する方が効果的だと判断した。
捨てたこと③:比較記事
他社製品との比較記事は作っていない。
他社を否定しない。誠実さを売りにしている。
高級商材を買う人は、誠実さを見ている。
煽りや比較で売ろうとすると、信頼を失う。
3年間で残した施策
残した施策①:百貨店に勝つための直販戦略
同じ商品が百貨店でも売られている。
価格では勝てる。でも、それだけでは足りない。
百貨店には「信頼感」がある。
直販には「怪しさ」がつきまとう。
だから、アフターサービスで百貨店を超えることにした。
やっていること:
– 無料修理期間を百貨店より長く設定
– 直接のカスタマーサポート(質問にすぐ答える)
– メール会員限定の特典
「価格が安い」だけでなく「直販だから安心」と思ってもらう。
残した施策②:商品の必要性を伝えるコラム
「比較記事」ではなく「教育コンテンツ」に力を入れた。
– なぜ必要なのか
– 選び方のポイント
数ページのガイドコンテンツを作成。
結果:ここからの検索流入が多い。
「買わせる」のではなく「理解してもらう」。
理解した人が、自然と購入してくれる。
残した施策③:Instagramへの集中
この商材に興味があるコミュニティがInstagramにある。
直接フォローやいいねで繋がれる。
結果:ブランド認知と信頼性の向上に貢献。
残した施策④:少量生産の強み
ハンドメイドで高品質。
大量生産はしない。
これを「弱み」ではなく「強み」として伝えている。
– 1台ずつ丁寧に作っている
– 在庫が少ない=希少性がある
– 品質に妥協しない
残した施策⑤:メーカー直送の仕組み
発送はメーカーから直接お客様へ。
僕は発送作業を一切していない。
結果:運営の工数が大幅に削減。
残した施策⑥:丁寧なカスタマー対応
高級商材の顧客は、購入前に質問が多い。
丁寧に対応すると、購入率が上がる。
結果:リピーターと口コミが増えた。
百貨店にはない「直接つながれる安心感」を提供する。
高級商材ECはShopifyで本当に成立するのか?
結論:成立する。
ただし、BASE や STORES ではなく Shopify を選んだ理由がある。
Shopifyじゃないと詰むポイント
| 項目 | Shopify | BASE / STORES |
| バイリンガル対応 | ◎ 標準機能 | △ 限定的 |
| デザインの自由度 | ◎ コードカスタマイズ可 | △ テンプレート依存 |
| アプリの拡張性 | ◎ 豊富 | △ 限定的 |
| 決済手数料 | ◎ 低い | △ やや高い |
高級商材で海外販売も視野に入れるなら、Shopifyの一択。
なぜShopifyを選んだのか
このECは僕ともう1人、2人で運営しています。
メンバーはエンジニアではない。
だから、「エンジニアじゃなくても運営できる」ことが重要だった。
理由①:最初からバイリンガル対応
日本語と英語、両方のサイトを最初から作った。
Shopifyは多言語対応が標準で備わっている。
結果:すでにアメリカへの販売実績がある。
海外からの問い合わせも定期的に来る。
理由②:テンプレートで十分なクオリティ
Shopifyのテンプレートは、そのままでも十分使える品質。
僕のやり方:
– 基本はテンプレートをそのまま使う
– 必要に応じて部分的にコードでカスタマイズ
0から作るより、圧倒的に効率が良い。
理由③:非エンジニアでも運営できる
商品登録、在庫更新、注文管理。
これらは管理画面から、コードを触らずにできる。
メンバーがエンジニアでなくても、日常業務は回せる。
理由④:決済・配送が整っている
決済、配送、在庫管理の基本機能が最初から揃っている。
「売ること」に集中できる。
理由⑤:アプリで拡張できる
足りない機能は、アプリで追加できる。
開発コストをかけずに、機能を拡張できる。
Shopifyを始めるなら
非エンジニア・非デザイナーでも、1週間でECサイトを立ち上げられる。
僕のように副業でEC運営を始めたい人には、最初の選択肢としておすすめ。
非エンジニア・非デザイナーでも回せる運営方法
2人運営で、メンバーは非エンジニア・非デザイナー。
それでも回せている理由は、ツールの活用。
SNS投稿・動画編集
Canva で素早く作成。
テンプレートが豊富で、SNS投稿も動画編集も非エンジニア・非デザイナーで扱える。
商品写真・動画
AIツールの進化で、実務レベルの素材が作れるようになった。
商品の画像や動画の生成にメインで使っているのは、Envato, Adobe Firefly。
AIの進化で限られた商品写真から自然なバリエーションを作ることができるようになった。
これらのツールを使うことはEC運営においても必須だ。
音声・BGM
メインで使っているのはElevenLabs。
– AI音声生成
– 音楽生成
英語版のSNS投稿では、ElevenLabsで英語音声を生成して使った。
BGMもElevenLabsのAI生成で作れる。
サイトのカスタマイズ
基本はShopifyテンプレート。
必要な部分だけ、僕がコードでカスタマイズ。
非エンジニア・非デザイナーでも、日常運営は完全に回せる。
次のステップ:自動化で「人の作業を増やさない」
現在はShopifyアプリのみで運営しています。
売上が安定した段階で「人の作業を増やさない」ために、次の標準装備として検証中:
Make:注文管理・通知の自動化
注文が入ったら:
– スプレッドシートに自動記録
– Slackに通知
– フォローアップタスクを自動作成
手動でやっている作業を、仕組みに置き換える。
Kit(ConvertKit):メルマガでリピート促進
購入者・問い合わせ者のメールアドレスをリスト化。
– 購入後のフォローアップメール
– 新商品・再入荷の通知
– レビュー依頼
高級商材は、一度買った人が別のモデルを買うことがある。
メルマガでつながっていれば、その機会を逃さない。
エンジニアスキルがECに活きた場面
「エンジニアスキルは必要なところだけに使う」のがポイント。
活きた場面①:部分的なコードカスタマイズ
テンプレートをそのまま使いつつ、差別化したい部分だけコードを触る。
– 商品ページのレイアウト調整
– 独自の機能追加(Liquid)
– 細かいデザイン修正(CSS)
外注費ゼロで、必要な部分だけカスタマイズできた。
活きた場面②:自動化の設計
MakeやKitの導入設計。
注文管理、フォローアップメール、在庫通知を自動化する。
エンジニアの「仕組み化」思考が、そのまま活きる。
活きた場面③:データ分析
Google Analytics、Shopifyのレポートを読み解く。
数字を見て改善するのは、エンジニアの得意分野。
活きた場面④:SEOの理解
検索エンジンの仕組みを理解しているから、SEO対策ができる。
技術的SEOは、エンジニアが有利。
活きなかった場面:日常運営
商品登録、在庫更新、注文対応、SNS投稿。
これらはShopifyの管理画面とCanvaで十分。
エンジニアスキルがなくてもできる = メンバーに任せられる。
3年間の数字(ざっくり)
具体的な売上は公開しませんが、傾向だけ共有します。
| 年 | 状況 |
| 1年目 | 赤字。仕組みを作る期間 |
| 2年目 | トントン。集客が伸びず、試行錯誤する |
| 3年目 | 黒字化。コンテンツからの流入が増え始める |
最初から上手くいったわけではない。
コンテンツと信頼性を積み上げてから、結果が出始めた。
EC副業判断チェック
– [ ] 本業以外の収入源が欲しい
– [ ] 扱いたい商品がある(または見つけられる)
– [ ] 週末などにある程度の時間を確保できる
– [ ] 初期投資(仕入れ・月額費用)ができる
– [ ] 長期的に続ける覚悟がある
3つ以上当てはまるなら、検討の価値があります。
まとめ:判断の記録
捨てた施策
| 施策 | 捨てた理由 |
| Instagram以外のSNS | 全部やると中途半端になる |
| 広告 | 最初からやっていない |
| 比較記事 | 他社を否定しない方針 |
残した施策
| 施策 | 残した理由 |
| 直販戦略(価格+アフターサービス) | 百貨店との差別化 |
| 誠実さを売りにする | 高級商材の顧客は誠実さを見ている |
| 教育コンテンツ(ガイド) | 検索流入の主力 |
| Instagramへの集中 | ターゲットコミュニティとの接点 |
| 少量生産の強み | 希少性と品質の証明 |
| メーカー直送 | 発送工数ゼロ |
| 丁寧なカスタマー対応 | リピーター獲得、安心感 |
| Shopifyアプリ活用 | 開発不要で機能追加 |
| AIツール活用 | 非エンジニア・非デザイナーでも制作可能 |
百貨店に勝つための戦略
| 百貨店 | 直販(うち) |
| 価格が高い | 価格を下げられる |
| 信頼感がある | アフターサービスで超える |
| 修理対応に時間がかかる | 無料修理期間を長く設定 |
| 担当者が変わる | 直接つながれる安心感 |
Shopifyを選んだ理由
| 理由 | 効果 |
| バイリンガル対応 | 日本語・英語サイトを最初から |
| テンプレートで十分 | 部分カスタマイズで効率化 |
| 非エンジニアでも運営可 | メンバーに任せられる |
| 決済・配送が整っている | 「売る」に集中 |
| アプリで拡張できる | 開発コストゼロ |
この商材だった理由
| 理由 | 効果 |
| メーカー直販 | 仕入れリスクがない |
| ハンドメイド×高品質 | 大量生産との差別化 |
| 少量生産 | 希少性がある |
| 高単価 | 少数で利益確保 |
| メーカーに直接聞ける | コンテンツ・対応に活きる |
使用ツールまとめ
メインで使用中
| ツール | 用途 |
| Shopify | EC基盤 |
| Canva | SNS投稿・動画編集 |
| Envato, Adobe Firefly | 画像・動画 |
| ElevenLabs | 音声・音楽生成 |
導入確定(自動化用)
| ツール | 用途 |
| Make | 注文管理・通知の自動化 |
| Kit(ConvertKit) | メルマガでリピート促進 |

